フィンランド、アルヴァアアルトの住宅をめぐる旅

ヴィラマイレア


2012年、フィンランド旅に行くことが決まった時に
アアルトがデザインした住空間を感じるためのスケジュールを考えました。

一番訪れたかったのが、学生時代から空間のつくりかた、素材の用い方に憧れていた、ヴィラマイレアでした。



villa mairea,中庭

villa mairea 1937-39
noormarkku

アアルトと共にArtekを立ち上げた美術収集家マイレ夫妻の家

フィンランド南西部にある港町ポリから北東にある
ノルマルクという小さな街にある

マイレア邸の周辺は林業を営んでいたマイレの父
祖父の家も建つ穏やかな農村地域
小高い丘の上にマイレア邸は建つ


villa mairea,暖炉のスケッチ

内部の撮影はNGだったので、アアルトの有機的なデザインとして有名な暖炉のスケッチを。

見学時間も短く、解説を聞きながら相当ラフに描いてますが
素材の切り替え、空間の切り替えの面白さを
自分なりにスケッチの中に残してきました。


villa mairea,リビング

私が持っている雑誌より
暖炉のあるリビングの写真です。

(何度も読んでいるので綴じの部分が割れてますが…)

この右側にあるのが暖炉です。
空間は連続しながら床の素材の変化等で
空間の意味分けをしています。


villa mairea,玄関

この写真は玄関からリビングにつながる
アプローチです。

書斎に関しては上部をOPENとした壁で間仕切りしていますが、玄関からリビング、ダイニング、書斎、そして上階に上がる階段は連続した空間にあります。

玄関は床の高低差と曲面の腰壁、
木を思わせる格子などでゾーン分けを。


villa mairea,森を望む家

この左の写真は、みゆう設計室がデザインした
「森を望む家」です。

このお住まいを設計している間、ヴィラマイレアの写真やプランを見て考えたわけでは無かったのですが、この腰壁の要素を私も取り入れていました。

連続しながら空間を分ける。
扉があるわけではないので連続した空間だけれども、床の素材が異なるので別空間と感じる。さらに広さもみせています。


villa mairea,アプローチ

ヴィラマイレアの写真に戻りまして、こちらは玄関。

随所に見られる、細い垂直ライン。
格子もよく見られますが
スチールの柱で垂直方向のラインを細く見せています。

それは日本の数寄屋に見られる線の細さへの憧れがあったそうです。木製の引き戸をよく使われている点にも日本の木造建築への憧れを感じます。


villa mairea,蔦

アアルトの空間は
イタリアやスペインなどの影響も受けています。


力強く大地から延びる植物

蔦をはわせる支柱のラインのデザインも美しい。


villa mairea,玄関ドア

玄関ドアの取っ手のデザインが枝みたい。

アアルトのデザインは有機的だと言われるけれど
素直に「自然、植物」のフォルムを
かたちにしているだけなのでしょう。


villa mairea,水平窓

花に囲まれたリビングの窓。
「水平連続窓」ですね。

アアルトは伝統的な部分も大切にしながら
自分のデザインと融合させているところも素晴らしいです。
どのお住まいも必ず伝統的な暖炉は組み込まれています。

フィンランドの環境に必要なものを大切に守りながら
住まいの近代化をはかったアアルトらしさを感じます。


villa mairea,サウナ

中庭を囲む、一番奥の建物はサウナ。
サウナは伝統的な作りになっています。


villa mairea,  

一番高さが見られる部分は工事中。
少しずつ手を加えながら
大切に住まわれていることが分かります。

内部の見学可能なのは、玄関、リビング、書斎、ダイニング。
1階のフロアのみです。
これは、まだマイレのお子さん一家がこの家を使われていて プライベートな空間は見せられないから、とのことでした。

その点がとても素晴らしいと感じたところです。
住宅としての機能を失っていないのです。
それでも、アアルトがつくりだした住空間の良さを伝えるべく
公開していることにとても感謝しています。



大きな写真で紹介したブログ記事は → こちら 

2013.10.22 更新 




コラムトップに戻る

上へ戻る